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わびぬれば ― 「わび」は、上二段の動詞「わぶ」の連用形で、「思いどおりにいかない」の意。後撰集の詞書によると、元良親王と京極の御息所（藤原時平の娘、褒子。宇多天皇の寵愛を受けた妃）との不倫が発覚し、追いつめられた状況。「ぬれば」は「完了の助動詞の已然形＋接続助詞“ば”」で、順接の確定条件。「〜たのだから」の意。 |
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今はた同じ ― 「今」は、不倫が発覚して噂が広まった現在。「はた」は、副詞で、「また」の意。「同じ」は、形容詞の終止形で、二句切れ。 |
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難波なる ― 「難波」は、現在の大阪市一帯。「なる」は、存在の助動詞「なり」の連体形で、「〜にある」の意。 |
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みをつくしても ― 「みをつくし」は、「澪標」と「身を尽くし」の掛詞。上を受けて「難波なる澪標」で「難波にある澪標」の意、下へ続いて「身を尽くしても」で、「身を滅ぼしてでも」の意となる。 |
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逢はむとぞ思ふ ― 「ぞ」と「思ふ」は係り結び。「逢ふ」は、この場合、「恋愛関係を貫き通す」という意。「む」は、意志の助動詞。「ぞ」は強意の係助詞。「思ふ」は、動詞の連体形で「ぞ」の結び。 |
