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 講座・問題集
 
(解答)
 
  今回は検算の方法をテーマにします。
  通常の検算ではなく、倍数の判定法をもとにした検算です。
  この方法の長所は、検算の時間を短縮できることです。
  短所は、間違った答えが、たまたまその倍数と一致してしまったときに誤りを見過ごしてしまうことです。
  しかし、かけ算の答えが何けたになるかや1の位が何であるかは瞬間的に判断できるので、それらを組み合わせることによって、誤答のリスクは十分に下げられます。
  解答時間の残りが少なく、全ての問題について完全な検算できない場合に利用してください。
   
(1) 556×3=1668
  この問題は、答えが3の倍数であるはずです。
  ある数の各けたの数をたした数が3の倍数であれば、その数は3の倍数なので、答えの1668で確かめてみましょう。
  このとき、“1+6+6+8=21だから1668は3の倍数”と考えてはいけません。
  10の位と100の位の6は明らかに3の倍数なので、それらを除いた1と8のみで考えましょう。
  1+8=9なので、1668は3の倍数です。
   
  整数の3分の1は3の倍数なので、3の場合については検算の精度はそれほど高いとは言えません。
  数が大きくなればなるほど倍数が現れる率が減るので、順次、検算の精度は上がります。
   
(2) 394×4=1576
  下2けたが4の倍数である数は、4の倍数なので、1576については、76の部分が4の倍数であれば4の倍数ということになります。
  このとき、76÷4=19と考えるのではなく、40は当然4の倍数だから、76-40=36が4の倍数かどうか考えるようにしましょう。
  もちろん、36=4×9なので4の倍数です。
 

このように41から79までは、その数から40を引き、81から99までは、その数から80を引いて考えれば、4の倍数かどうかの判断が容易になります。

(3) 483×6=2898
  6=2×3なので、6の倍数は偶数かつ3の倍数。
  2898は偶数なので、3の倍数かどうかを確かめます。
  9は3の倍数なので除くと、2+8+8=18で3の倍数となります。
  2889は偶数で3の倍数だから6の倍数であることが確認できました。
(4) 814×9=7326
  各けたの数をたした数が9の倍数であれば、元の数は9の倍数です。
  7326について確かめてみましょう。
  このとき、7326それぞれの数に注目すると、7+2=93+6=9となるので、各けたの数を全てたした数もまた9の倍数であるといえます。
  このように、たして9になる数を次々消していくと楽に計算できます。
(5) 731×11=8041
  偶数けたの数の合計と奇数けたの数の合計の差が11の倍数であれば、元の数は11の倍数なので、8041について考えると、
  (8+4)-(0+1)=12-1=11で11の倍数。
  ところで、121や1001などのように、偶数けたの数の合計と奇数けたの数の合計の差が、11や22のようなわかりやすい11の倍数ではなく、0になる場合もありますが、0もまた11の倍数(11の0倍)なので、間違えないように注意してください。
 
(重要)
 
 ある数が何の倍数であるかの判定方法を単なる知識としておぼえるのではなく、かけ算の検算に応用しましょう。
 また、数の性質を理解したり、ある数が何の倍数か(素数か)を認識したりすることは、計算はもちろん算数の学力を高めることに役立ちます。
 
(注意)
 
 ここでは、思考方法を解説するために、検算の過程を文字で表していますが、実際にはできるかぎり暗算で行ってください。
 逆に言うと、ここに示した検算方法は、暗算でもできるものなので、日ごろから練習してください。
 
 7の倍数の判定法もありますが、他の倍数ほど簡単ではありません。
 7のかけ算をする際は、計算間違いをしないよう、とくに注意しましょう。
 次善の策としては、確実な7の倍数を引いた残りの数が7の倍数かどうかで判定する方法を使ってください。 
 [例] 77854 → 77854-77000=854,854-840=14 → 7の倍数
 
(補足)
 
  より大きな数のかけ算、および7の倍数に関する解説は、倍数の判別法練習問題26の解答で取り上げます。
 
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