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 講座・問題集
 
(解答)
 
 長さ102mのB列車が長さ63mのC列車を追い抜く場合も、すれ違う場合も進まなければならない距離は、両列車の長さの和で、
 102m+63m=165m
 B列車がC列車を追い抜くのにかかる時間は、27.5秒だから、
 165÷27.5秒=6m/s
 これは、両列車の秒速の差。
 B列車とC列車がすれ違うのにかかる時間は、2.75秒だから、
 165÷2.75=60m/s
 これは、両列車の秒速の和。
 これらより、B列車の秒速を求めると、
 (6m/s+60m/s)÷2=33m/s
 よって、C列車の秒速は、
 33m/s-6m/s=27m/s
 次に、A列車は、長さが102mのB列車を追い抜くのに82秒かかり、長さが63mのC列車を追い抜くのに23秒かかるから、A列車の長さを□m、速さを△m/sとすると、以下の2式が成立する。
 (□m+102m)÷(△m/s-33m/s)=82秒 …@
 (□m+63m)÷(△m/s-27m/s)=23秒 …A
 @を整理すると、□m+102m=82秒×△m/s-2706m
 □m=82秒×△m/s-2808m …B
 Aを整理すると、□m+63m=23秒×△m/s-621m
 □m=23秒×△m/s-684m …C
 B-C
 59秒×△m/s-2124m=0
 59秒×△m/s=2124m
 よって、A列車の秒速は、
 2124m÷59秒=36m/s
 A列車の長さは、Bより、
 82秒×36m/s-2808m=144m
(答) 秒速36m 長さ144m
 
【解説】
 
 このような問題は複雑で解答に時間がかかり、計算間違いも起こりやすいので、入試で出題された場合は、なるべく最後に回すべきです。
 もし、試験時間の初めのほうで解答した場合には、たとえ正解しても、時間は大幅に失われ、残り時間を気にしなければならない状況に追い込まれることでしょう。
 そうなれば、精神的に動揺して、心拍数が上がり、ミスを誘発する確率が高まります。
 解答に時間のかかる問題は、捨てるぐらいの割り切り方をするのが得策です。
 受験で勝つための戦略とは、正解率を100%にすることではありません。
 何秒で1点を取るか、その秒数を縮める能力を磨くことなのです。
 仮に、時間のかかる問題に引っかかって、10問中5問しか解答する時間がなかった人。 
 時間のかかる問題を捨てて10問中9問解答した人。
 この2人がいたとします。
 5問解答した人が正解率100%で50点とすれば、9問解答した人は正解率何%でそれを上回れるでしょうか。
 6問正解するためには、たったの67%です。
 3問に1問間違えても勝ってしまいます。
 もちろん、この例は分かりやすいように都合よく作ったもので、点数やパーセンテージに意味はありません。
 しかし、実際の受験では、数値こそ違え、これと同様の現象が起こります。
 そして大抵の場合、正解率が100%の人のほうが塾ではどんな問題でもできる優秀な生徒として扱われ、不合格になったことを誰もが意外に思うのです。
 一方、9問解答した人は、そんなに勉強はできないかもしれませんが、要領がよく、受験には強いと言えます。
 数百人、数千人と受験生がいれば、合格最低点付近には数人から数十人がひしめいています。
 そこで1点でも上回るために求められているのは、正解率を上げるのもさることながら、解答するべき問題に優先順位を付ける能力なのです。
 
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